小説レビュー– category –
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『手すりほしい女/かんの』の解説
書けるか心配になる かんのさんから依頼されてすぐの私「解説書いてみたかったから嬉しい」 だけどしばらくして「いや、本当に書けるかこれ...」 かんのさんの短編小説には女性と恋愛が絡んでくる。恋愛に失敗してばかりの私は書けるか心配になった 私と... -
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『それからはスープのことばかり考えてくらした/吉田篤弘』
小説を書いている友人から「好きそうと思いました」と言われて買って読んでみた。 路面電車が走る町に越して来た青年が出会う人々。商店街のはずれのサンドイッチ店「トロワ」の店主と息子。アパートの屋根裏に住むマダム。隣町の映画館「月舟シネマ」のポ... -
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『笑いのカイブツ/ツチヤタカユキ』
人間の価値は人間からはみ出した回数で決まる。僕が人間であることをはみ出したのは、それが初めてだった。 僕が人間をはみ出した瞬間、笑いのカイブツが生まれた時―他を圧倒する質と量、そして“人間関係不得意”で知られる伝説のハガキ職人・ツチヤタカユ... -
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『恋愛会話/鎌田敏夫』
cestaで行われた夜の読書会(テーマが『恋』)を見にいったときに、「元カノと上手に話せないから別れた」と言うと「そんなもやしくんにはこの本をあげよう」を渡されたのがこれ。 出会い、恋と愛、結婚、男について、女について、幸福の6章より構成される。... -
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『ネバーランド/恩田陸』こんな男子高校生はいない?
cestaで行われた本楽会の新年会で行われた文庫本交換会で頂いた本(ちなみに自分は『グ、ア、ム/本谷有希子』を持っていった) あらすじ 舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。... -
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『授乳/村田沙耶香』
第46回群像新人文学賞の作品。 「クレイジー沙耶香」が新人の頃にどんなお話を書いていたのだろうと興味を持ったので読んでみた。 あらすじ 受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。火曜に数学、金曜に英語。私を苛立たせる母... -
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復讐の正当化された世界での物語『ジャッジメント/小林由香』
去年の冬頃に「今年はどんな本が出版されたんだろう...」と思いながら本屋さんへ行き、平積みになっていたところを見つけた。「大切な人が殺された時あなたは『復讐法』を選びますか?」という帯の言葉に興味を持ったので買った。 あらすじ 大切な人を殺さ... -
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『殺人出産/村田沙耶香』
『コンビニ人間』を読んで村田沙耶香さんの他の作品も読んでみたいと思って買った。 内容紹介 「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい──。そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。育子の... -
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『明るい夜に出かけて/佐藤多佳子』タダしいyouに見えるに救われた人間として
見えないラジオの相方ピアノマンにオススメされたので読んでみた。 あらすじ 主人公・富山は実家から少し離れた地域でコンビニのバイトをしながら一人暮らしをしている。ある事件が原因で大学を休学する彼の唯一の楽しみは深夜ラジオであり、中でもアルコ&... -
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『私の消滅/中村文則』
私が消滅しそう 1週間で体重が5kgも減ってしまい、「あ、これ、消滅していしまうんじゃないだろうか...」と思ったところから、この本を読むことを決めた。 内容の紹介 このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない――不穏な... -
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『薬指の標本/小川洋子』女性は絶賛し、男性はあんまり…
楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡……。人々が思い出の品々を持ち込む〔標本室〕で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」靴はあまりにも足にぴ... -
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『土の中の子供/中村文則』
27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。理不尽に引きこまれる被虐体験に、生との健全な距離を見失った「私」は、自身の半生を呪い持てあましながらも、暴力に乱された精神の暗部にかすかな... -
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『二度とはゆけぬ町の地図/西村賢太』
中卒で家を出て以来、住み処を転々とし、日当仕事で糊口を凌いでいた17歳の北町貫多に一条の光が射した。夢想の日々と決別し、正式に女性とつきあうことになったのだ。人並みの男女交際をなし得るため、労働意欲に火のついた貫多は、月払いの酒屋の仕事に... -
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『おれに関する噂/筒井康隆』
テレビのニュース・アナが、だしぬけにおれのことを喋りはじめた―「森下ツトムさんは今日、タイピストをお茶に誘いましたが、ことわられてしまいました」。続いて、新聞が、週刊誌が、おれの噂を書きたてる。なぜ、平凡なサラリーマンであるおれのことを、... -
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センスがいいと思われたくて読んだ小説『楽園のカンヴァス/原田マハ』
あらすじ ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミッ... -
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『天才/石原慎太郎』
政治会のカリスマ・田中角栄の一生を、ライバルの石原慎太郎が執筆が一人称で書いている。 たまたまテレビで見た「金スマ」で、この本についてドラマ形式で紹介していて、興味を持ったので読んでみた。 彼がこれだけ素晴らしい政治家であった理由は「この... -
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『オーデュボンの祈り/伊坂幸太郎』
江戸以来外界から遮断されている”萩島”には、妙な人間ばかり住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。ある日カカシが殺された。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止できな... -
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『図書館の神様/瀬尾まいこ』
高校までバリバリの体育会系だった”私”が文芸部の顧問になり、不思議な出会いから傷ついた心を再生していく物語。 職員室で他の教師が文芸部について「他の部活でドロップアウトした生徒の受け皿」などと発言したことに対して”私”が言い返しているシーンが...
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