小説レビュー

『授乳/村田沙耶香』

出典:講談社文庫より

第46回群像新人文学賞の作品。
 
「クレイジー沙耶香」が新人の頃に
どんなお話を書いていたのだろうと
興味を持ったので読んでみた。

あらすじ

受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。火曜に数学、金曜に英語。私を苛立たせる母と思春期の女の子を逆上させる要素を少しだけ持つ父。その家の中で私と先生は何かを共有し、この部屋だけの特別な空気を閉じ込めたはずだった。「――ねえ、ゲームしようよ」。表題作他二編

文庫版:裏表紙より

私の好きな場面

私の、女子学生である自分を反射的に利用してしまうところが好き。
若い女の子のか弱さは、暴力的で残酷なんだな、と。
 
私がこんな風になった原因ってなんだろうか、
父親へ陰湿な嫌がらせをする母親が見ていたから?

身体的な痛みの描写が怖い

「蛇にピアス」を読んだ時にも思ったこと。
自分は小説(ショートショート)を書くけど、
傷や刺青など身体的な痛みの描写が怖くて書けない。
 
自分で引っ掻いた傷口にセロハンテープを貼ったり、
生理用ナプキンを貼り付けたり、
 
性と暴力が一緒になってる文章を書いてみたい。
ナプキンを使ったことがないから、そんな発想なかった。

印象に残った文章

先生は抵抗をやめた。はじめから抵抗する気などないのだ。私は先生の髪の毛を鷲掴みにし、強引にこちらへ引き寄せ、さらに深く乳房をくわえさせた。背中をつよく平手で叩くと、先生がぐっと喉をならした。それを言い訳にして先生はやっと吸い始めた

「授乳」より

「女子学生から授乳されるため」には
それ相応の言い訳が必要なんだな、と。
 

誰かの自慰に暇な人間が付き合うことを、セックスと呼ぶのだと思っていた

「御伽の世界」より

すごく冷めた人間の言葉でなんかいい。
これが恋人関係だったりしたら
「愛のないセックス」とか言いそう。