小説レビュー 『薬指の標本/小川洋子』女性は絶賛し、男性はあんまり... 2016年8月19日 湊太郎 湊集編 楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡……。人々が思い出の品々を持ち込む〔標本室〕で働いているわたしは、ある日標本技術士に素 …
小説レビュー 『土の中の子供/中村文則』 2016年6月7日 湊太郎 湊集編 27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。理不尽に引きこまれる被虐体験に、生との健全な距離を見失った「私」は、自身の半生を …
小説レビュー 『二度とはゆけぬ町の地図/西村賢太』 2016年5月31日 湊太郎 湊集編 中卒で家を出て以来、住み処を転々とし、日当仕事で糊口を凌いでいた17歳の北町貫多に一条の光が射した。夢想の日々と決別し、正式に女性とつきあうことになったのだ。人並みの男女交際をなし …
小説レビュー 『おれに関する噂/筒井康隆』 2016年5月9日 湊太郎 湊集編 テレビのニュース・アナが、だしぬけにおれのことを喋りはじめた―「森下ツトムさんは今日、タイピストをお茶に誘いましたが、ことわられてしまいました」。続いて、新聞が、週刊誌が、おれの噂 …
小説レビュー センスがいいと思われたくて読んだ小説『楽園のカンヴァス/原田マハ』 2016年5月4日 湊太郎 湊集編 あらすじ ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢 …