ショート小説コンテスト『札束』感想

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2016年の1月に書いた作品です。
このコンテスト、もう一年以上行っているんですね…

黒川洸太郎『札束~刺激との代償~』

夏の夜に長い下り坂でお金について相談する大学生2人の話。

『どっかのエリートが何かしらの事情で4億円を処分したくて、40万ずつ1000人、しかも全国に配布する計画』という設定が面白い。
自分だったら『金持ちが道楽で「一般家庭の人間が急に一億円を手に入れたらどのように生活が変わるか」を楽しむ』って物語なんかを書いてみたい。
『街頭の灯りに照らされた幸雄の影はゆらゆらと不安げだ。』では影を用いて幸雄の心理的な動揺を表現している。
15年後のシーンでは『あれから俺は大学に行かなかった。幸雄に会わせる顔が無かった。』という書き方なので、幸雄自身も主人公に会いに行こうとしなかったのだろう。おそらく主人公が会わせる顔がないと思っていることを悟っていたのだろう。

白川湊太郎『札束~正しい使い方~』

札束の山が置かれた部屋に閉じ込められた男の話。
札束のお金とは異なる、物理的な価値として使いたいと思った。
候補としては「燃やして松明や狼煙として使用する」などがあった。
「札束の山で階段を作り、上方の換気口から脱出する」とか無茶苦茶難しそうなので、いつも以上に何度も何度も頭の中の映像を確認しながら書いた。
「ライターをつけると火は大きく揺れていた。そういえば上の方でかすかに風の通る音が聞こえる。」という描写は脱出のヒントを文章内に書きたかったためのもの。
ライターを使用したのはどこかに風の通り道があることを知らせるためと、部屋を暗くしておきたかったため。
そして部屋を暗くしておきたかったのは、初めに暗やみで「札束」とまだ確認できていない状態の紙の束を触らせておきたかったから。お金の価値ではなくて「モノ」としてだけ確認させておきてかったから。部屋にいくつも壁がつけられているのはカモフラージュと『ヘンたて/青柳碧人』の影響によるもの。

桃川涼太郎『札束~それ、いくら?~』

世間知らずでちょっとずれている彼女が、濡れたお札を干している話。
「ねぇ、見て。お金乾いたんだけど、パリパリになって増えたよ! これ、いくらになったと思う?」ってこれすごく可愛いし、自分ではこんなセリフ思いつかないかも。
お札の欲し方も「靴下みたいに」だとイメージしやすい。
紙幣を洗うことで、ごわごわになって物理的に大きくなって、石鹸の香りがついて、と付加価値たくさんあるな。

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コメント

  1. アマン より:

    1年以上やってるんですね、たいしたものです、
    一流の作家とは、書き続けられる人のことですからね。

    • 湊太郎 より:

      アマンさん
      定期的に締切があるって良いですね(笑
      僕はずっと書き続けますよ!

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