ショート小説コンテスト『麒麟』感想

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『麒麟~村の発展~』白川湊太郎

なかなかに難しいテーマだった。
こういう神聖な物が対象だと、なんだかふざけたくなってしまう。

物語の中盤「馬の蹄が現れました」と書いたが、もちろんこのときの村長は倒れているので視野が狭くなっており、馬に乗った人間が話しかけてきたと思い込んでいる。

「馬の蹄が…」だけでなく、「穏やかで優しい性格の」「麒麟はその龍のような頭を」などで無理やり麒麟のパーツの描写を出していった。

最初に考えた構想としては「珍しい動物を数多くみたいとわがままをいう皇帝に対して、麒麟が色々な動物に成りきる」というものだった。

『麒麟~最強の生物~』黒川洸太郎

電車で通勤中のサラリーマンが最強について語る。
「スターを纏ったマリオ」「レベル99のミューツー」「社会の毒のおっさん」などを経て、「元が良くない自分が無敵になるためには」と考えて、馬や龍など麒麟のように良いとこ取りで生きる必要があると気づくが、駅を降りた自分の行動一つ一つがみすぼらしく、自分は自分でしかないと思い知らされる。

「レベル99のミューツー」の段落では「コマンド一つで服従さ」と話しているので、自分自身ではなく、自分が所有するモノが最強であれば自分も最強という考え方だとわかる。

「くしゃみをしたおっさん→臭い→ウンコ野郎」では臭いからウンコ野郎に上手く繋げてある。役に立たなくても何も思わず、嫌われることに慣れているのは、まさにウンコだと思う。

黒川さんは毎回テーマとなるものを前面に押し出さないような文章を書くのがうまい。

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