作品– category –
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ショート小説コンテスト『運動会~見せ物~』
ピストルの音と共に第一走者が走り出す様子を、体育座りをした第三走者の俺が眺めている。運動会の最終種目は男子に一周二百メートル×四人のリレー。この勝負で優勝が決まるのだ。 リレーは花形競技だ。このスピード感で競っている様子を見て、観客たちは... -
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ショート小説コンテスト『食堂~惜しまれながらも店じまい~』
仕事が思ったよりも長引き、急ぎ足で最寄りの駅に向かっているあいだに、日はほとんど落ちてしまった。汗でワイシャツが濡れて気持ち悪いが、冷房の効いた車内を思い浮かべることで何とか耐え忍ぶ。何しろ今日を逃せば二度と機会は訪れないのだ。あの店は... -
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ショート小説コンテスト『エスパー~末路~』
「さあ始まりました人気エスパーの頂上決戦、1分間にいくつのスプーンを曲げられるのでしょうか?」 ステージには3人のエスパーが並ぶ。色鮮やかなシャツを着て観覧車に愛想をふりまく男性、黒いマントに身を包み多くを語らないミステリアスな雰囲気をし... -
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ショート小説コンテスト『床屋〜私達の行く末〜』
床が黒く染まっている。先程まで私の頭から生えていた髪の毛だ。だが今は私から切り離されており、床に散らばって存在している。これらは今でも私の身体の一部であるのだろうか。 「髭を剃る前に髪の毛持ってくね、お兄ちゃんごめんね~」 パートの女性が... -
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ショート小説コンテスト『ノート~きっかけ~』
「じゃあ今日は教科書の35ページから始めるぞー」 世界史の先生が教科書の内容を黒板に書き写し、生徒が黒板に書かれた内容をノートに書き写す。ただそれだけのつまらない授業。だから別にノートを取らなくても、先生が授業で取り上げた部分を教科書にチ...