見えないラジオの相方ピアノマンに
オススメされたので読んでみた。
目次
あらすじ
主人公・富山は実家から少し離れた地域で
コンビニのバイトをしながら一人暮らしをしている。
ある事件が原因で大学を休学する彼の
唯一の楽しみは深夜ラジオであり、
中でもアルコ&ピースのオールナイトニッポンでは
ネタを投稿するハガキ職人でもある。
富山の働くコンビニにジャージ姿の女子が来店する。
彼女のリュックにはアルピーANNで
最高のリスナーにしか与えられない
カンバーバッヂが二個もついており、
アルピーのリスナーだと気づく。
彼女は佐古田と言って虹色ギャランドゥという
ラジオネームでサイコなネタを送るハガキ職人だった。
佐古田は富山と話すためコンビニへ来るようになる。
休学中の富山にも友達(というか仲間)がいて、
友人・永川はアメーバピグ界の有名人、
バイト仲間の鹿沢はニコニコ動画の歌い手、
とそれぞれ現実世界と違う一面を持っていた。
富山、佐古田、永川、鹿沢で行動するように。
佐古田が文化祭で監督・主演を努めた舞台
「明るい夜に出かけて」に強く影響を受ける。
歌い手の鹿沢は曲を作り、富山が歌詞をつけることになる。
年度末、アルピーANNの番組終了のフラグが立ち、
その結果を受けて富山にある決意が芽生える。
深夜ラジオと共に生きる若者の物語
作品のモデルはアルコ&ピースのオールナイトニッポン
僕はアルピーANNの存在を最近知った人間だけど、
ラジオ愛、中でもPodcast愛は人並み以上に
持っているつもりだ。
僕もラジオに救われた一人だ
大学4年生のときに留年が決まり、
ダラダラと過ごす日々にPodcastを知った。
初めはJUNK系を聞いていたけど
あるときタダしいyouに見えると出会った。
素人男性二人の10分間番組であり、
更新頻度の高さに惹かれた。
暇な時期だけではなく、孤独な生活の中でも
会ったこともないお二人が
身近にいてくれた気がした。
くすぶっている自分の味方とも思えた。
深夜ラジオのようにリスナー同士がtwitterで
ハッシュタグをつけて同時期に聴くことは、
一人で聴いているのに多くの人間と繋がる感覚が
あるだろうし羨ましくも思う。
僕は学生の頃ハッシュタグをつけて実況する手段を
知らなかったし、それ以前に愛知県はTBSラジオも
ANN0も聴けなかった。
その代わり更新頻度の高いタダしいyouに見えるは、
自分にとって孤独ではないと思える安心や
救いのような番組であった。
メッセージを送らず一方的に聴くだけの
サイレントリスナーの立場であっても、
パーソナリティとの距離が縮まっていくように思えた。
今ではタダしいyouに見えるをきっかけに、
本を読むようになり、そこから人生が楽しくなった。
文章を書く楽しさを覚え、
さらには同じくリスナーのピアノマンと
Podcastをするようになった。
タダしいyouに見えるは僕の人生を変えてくれた
これは全く大袈裟な表現ではない。
こうやって過去を書いている途中で気付いた。
Podcastをやりたいと思ったきっかけなど
漠然と「楽しそうだったから」だった気がする
(あんまり覚えていない)
その程度の気持ちでピアノマンを誘った。
誘っておいて熱量の有無もわからず、
フワフワした感覚で続けていた。
見えないラジオを始めるときに
「タダしいyouに見える、みたいな番組にしたい」
と話していたことを思い出した。
「10分間で更新頻度の多い番組をしたい」
とまで思っていた。
でもそれは、もしかしたら
「過去の自分みたく、誰かが救われる番組を作りたい」
だったかも。
形に囚われ過ぎていた。今はもう単純に
「自分を救ってくれたPodcastに恩返しがしたい」
くらいで良いのかも知れない。
見えないラジオが始まって1年半も経ち、
今さらだが自分もこの番組を本気で盛り上げようと思う。
卑屈なエネルギーだけでアルピーdcgに
メールを送ったいたけど、今後は自分たちの番組を
盛り上げるというプラスのエネルギーもモチベーションに
変換してネタを送ろうと思う。
いつかLIFEのコーナーで同じ週に僕のピアノマンの
二人とものネタが読まれるとすごく嬉しい。たぶん泣く。
ほとんど小説の感想を言ってないが、
上記のような自分と富山を重ねて読んでいたように思う。
本当に、本当に、今さらではあるが
アルコ&ピースのDC GARAGEを聴いた。
読まれた自分のネタが面白くてすげえ笑った。
アルコ&ピースの二人にすごいウケてて嬉しかった。
手が震えた。
ハッシュタグ「#アルピーdcg」で調べると、
多くのリスナーさんが自分のネタについて
ツイートしていてさらに嬉しかった。
ああ、これは、いつまでも嬉しくて、
何度も何度も繰り返して聴いてしまうんだろうな。
タダしいyouに見えるに送っていたときも、
自分のネタにお二人が笑ってくれた回は保存して
何度も聞き返していたな。
深夜ラジオとPodcastのどちらも、
一人で聴いている僕たちを孤独にはさせない。
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