「俺、猫が苦手なんだよね…」
「なんで？」
「せっかくあげた餌に砂をかけて食べないことあるし…」
「それは美味しいエサを隠しておこうとしてるんだよ」
「俺だって苦手な熱い料理を頑張って食べてるのに…」
「お前の舌、猫じゃん」
「それにめちゃくちゃ寝るだろ？」
「肉食動物は獲物を狩るために力を蓄えないといけないからな」
「だから昼間でも起さないよう音を立てずに歩いてんだよ…」
「お前の脚、猫じゃん」
「あとさ、たまに頭突きしてくるんだよね…」
「それは猫なりの愛情表現だぞ！」
「いやいや、たぶん俺の背筋が曲っているから注意してるんだよ…」
「だとしたら良いやつじゃん。そしてお前の背中、猫じゃん」
「他にもすぐ高いところへ昇るだろ？」
「野生の本能だからな」
「違うね、俺がハゲてないか上から確認してんだよ…」
「卑屈だなぁ、そんなわけないだろ」
「俺の髪の毛、細くてやわらかいから…」
「お前、髪の毛まで猫だな！！」
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