cestaで行われた読書会に行ってきました。
今回のテーマは「怖い本」でした。
『夏と花火と私の死体/乙一』
乙一が17歳のときに作った小説。
弥生が五月を殺し、弥生の兄の健と二人で五月の死体を隠す四日間について。
物語の大部分が殺された五月の語りで進むのが面白い。
「わたしの死体を見られでもしたら大変だ」という文章もこの世界では普通だ。
実はこの五月と弥生は9歳である。小学生同士で殺人事件が起こるだけでも怖いが、その理由が恋愛の嫉妬が原因であることがさらに怖い。死体が見つかりそうになり、健が警察の目を引くため自分の鼻を石で殴るシーンなども、必死過ぎて怖い。
『呪いのレストラン(怪談レストランシリーズ)』
「地獄のレストラン」「金縛りレストラン」など様々な怖いものをテーマにした短編小説集。
目次がMENUになっており「へびの呪い~トスカーナ風へびのしっぽ入りスパゲティ~」みたく小説のタイトルの一緒に料理の説明文が書かれている。
自分は小学生のときに読んでいた(ちなみにこの本、児童図書である)
ビビりの自分にはこれくらいの怖い話がちょうどいい。
○参加者の方が紹介していた本では『いるのいないの/京極夏彦』の絵本が印象に残った。
絵本だが、確実に子供が読むと泣くだろう。トラウマになるだろう。
出版社からのコメントに「幼いころから怪談に親しむことによって、子供たちは豊かな想像力を養い、想定外の事態に直面しても平静さを保てる強い心を育み、さらには命の尊さや他者を傷つけることの怖ろしさといった、人として大切なことのイロハを自然に身につけてゆくのです。」と書かれてあったが、少し無理があるだろう…
この「怪談えほんシリーズ」は色々な有名作家の物語が絵本になっており、京極夏彦だけでなく、宮部みゆき、小野不由美、恩田陸などの作品も書かれている。
○読書会の中で話に出た印象に残った言葉
「怖いから読んだ後の本を家に置いておけない」
「翻訳がすごいのか、原文がすごいのか」
「わからない怖さ、わかる怖さ」
「事実と作り話の境界のわからないのが良いところ」
「(村上春樹の作品に対して)音楽を聴いてるみたい。抑圧しているものを見せられている怖さ」
さらにわかりやすく読書会について書かれているブログはこちらです。
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